こんにちは。デザイン部の坂能です。
1-10では「先行技術シード」という、特定の領域に関して興味を持った有志の社員が集まって研究内容や情報共有をするという取り組みがあり、主にAI/XRを中心とした技術トレンドを常に追うことで今後のクライアント・案件獲得に繋げる目的があります。
その中でも私は生成AI技術に興味があり、様々なAI生成サービスの使用感を試したり、トレンドを追っていくことで商用利用・実務での活用の可能性・応用的な使い方などのナレッジを蓄積する目的で、デザイン部メンバーを中心としたメンバーで構成されている「AIジェネレーティブゼミ」にて、日々研究に勤しんでいます。
今期も引き続き、AIについての記事を更新していこうと考えています
今回はその活動の一環として、以下のテーマで記事を書きました
【OpenAI】AI生成を使ったポスター制作第2弾
前回、Adobe Expressを使用してポスター制作をしたのですが、文字組などのコントロールが難しく実用に向かなかったため、今回はOpenAIのDELL-Eを使用してポスター制作をリベンジしていきます。
ChatGPT Link:https://chatgpt.com
ChatGPTに聞いた「思い通りの絵にする方法」を実践
ChatGPTに聞いた方法は以下です
- 具体的なプロンプト: 画像の各要素について、非常に具体的な指示を含めるようにします。どの部分に何が必要かを詳細に記述します。
- 参考画像: 参考画像を提供し、それに基づいた描写を依頼します。例えば、「ベースはこの画像のように」「目はこの画像のように」「ほっぺはこの画像のように」といった指示を出します。
- 段階的なフィードバック: 一度に全ての要素を反映するのではなく、段階的に進めていくことで、必要に応じてフィードバックを与え、微調整を行います。
デザインするにおいて目指したい雰囲気は以下です
- 服を売っているお店
- 遠くからでも目を惹くポップさ
- 涼しげで夏っぽいイメージ
作成手順
まずは普通に入力します。
シックでオシャレにはなりましたが、求めている雰囲気とは違うので
もっとわかりやすくお店感を出せないか検討します
他の生成AIのように長い文章を打つのではなく、具体的なイメージを段階的に指示していくことが近道とのことなので引き続き試していきます
生成AIは現時点だと画像上に文字を反映することが苦手なので
文字は別で入れ込む想定で画像のみのデータにしていきます
ある程度形になってきたので、Gen_IDとSeed値を聞き出します
Gen_IDとは
- 生成した画像に割り振られる値
- 生成の方法を特定するのに使用する
- 同じGen_IDを入力すると画風とスタイルを参照し、先祖返りをせずに生成が可能
- 同じ絵柄で別のモチーフや人物を生成することが可能になる
Seed値
- 画像を生成するにあたりスタート地点となる数字
- 出発点となる数値を固定できるので、イメージを固定するのに便利
同じ画風で別のキャラクターを生成するのであればGen_ID
全く同じ画像にしたいのであればSeed値が便利という認識です
ほぼ同じ構図でフォトリアル化することが可能です
ポスターっぽい雰囲気にレイアウトしてもらうことも可能です
余談ですが、ポスターに使用する文言を打ち込んで文字数を指定することも可能です。
ただ、「329文字の文章量をポスターに反映してください」と打ち込んでも
エラーが出てしまい上手く出来ないので、文字スペースを確保したイラストを生成してくれるかは運が絡んできそうです
ちなみに、ポスター制作の指示を入れると、ポスターが飾ってある風景として出力されることがよくあります
また、定期的に絵柄を指定しないと、全くイメージに合わないイラストをあげてくることもあるのでそのランダム性が少し難しいポイントだなと思ったりします
画像をUPして指示を出すとしっかりイメージが戻りました。
ある程度まとまってきたので、今後は全ての画像にIDを出してもらうように依頼しました
人物をダイレクトに描写すると意味ありげになりすぎてしまいますので
マネキンにして顔を描写しない方向にしていきます
夏らしい爽やかな雰囲気になってきました
顔が描かれてしまいましたが、ポスターっぽくする指示がうまく反映できた上、絵柄もオシャレになったのでOKとします。もっと文字が入れやすい絵にしたいのでもう一声頑張ります
入った文字要素を消せば使えそうな画像になりました。
ただ、背景が古民家っぽいので修正します
(Jpeg画像を要求すれば、そのままDLできます)
画像をクリックしてベンツールで画像の一部を選択すると
部分的に生成し直すことができました。
Adobe fireflyに決定した画像を読み込み、削除機能と拡張機能で文字を削除+横幅を拡張で簡単に素材化できました(5分以内で簡単に出来ます)
仕上げに、タイトルロゴと文字を入れて完成です
総評
よかった点
- 第一弾と比べ、画像の精度がかなり高く、思い通りのイメージにしやすい
- 会話しながら生成できるので、イメージが決まっていない状態で制作に入っても
画像を見ながら適切な表現を探っていける
- サイズが足りなくても簡単に横幅を拡張できるので自由度が高い
- 素材サイトからフリーのイラストを使用するよりもオリジナリティが出る
- 自分で描くよりも時短になる
- スマホからでも生成可能なので、出先でもイメージを膨らませることができる
発展途上だと感じた点
- 文字を生成することが現状ほぼ不可能なので、最終的なデザイン作業は手動でやることになる
- 上記が発展しない限りは、フリー素材でデザインするのと比べてもあまり時短には繋がらない
- ぱっと見はいい感じでも、細部は崩れていることが多いので具体的な人物やモチーフを
詳細に載せることは難しい。(雰囲気重視の絵しか難しいところがある)
ですが全体的に、第一弾で試した手法よりはクオリティが上がったので進化を感じました。
今後文字まで反映できるAI生成ツールができると、さらなる時短に繋がりそうです。