横7mのスクリーンをオフィス内に仮想表示している様子

はじめに

CT部の河合です。普段主にUnityを使ったコンテンツを制作しています。今回紹介するのは、NDIをつかった画像や映像の確認ツールのテスト、です。keijiro氏のKlakNDI をつかって Meta Quest 3(以下 Quest 3)に映像を転送し、パススルーで現実空間に映像を重ねて見る、といったものです。

パススルー+NDIの機能をつかって、コンテンツ制作以外に、業務で利用できる使い方はないだろうか、ということで、デザイナーの新福さんに協力していただき、以下の検証を行いました。

NDIで映像転送してクロップ

用意するのはPCとQuest 3(とWifi)です。PCでまず映像または画像を表示して、NDIでQuest 3に転送し、Quest 3 で仮想スクリーンを任意の位置に配置して、空間アンカーで保存させました。

実際の案件での要件は横7mx縦1m

今回はデザイナーの新福さんに実際の案件での要件をヒアリングし、以下の条件で取り組みました。横が7mあるので、実物で確認するにはハードルが高そうだったので、テストにはちょうどいい感じです。かなり横長のスクリーンが想定になります。

  • 解像度は1920 x 256
  • 横 7m x 縦1m のLEDパネルで再生する映像を制作している
  • どこかの建物のエントランスなどに流れる映像を想定
  • 実際に制作中のテスト映像をお借りして投影検証
PC側はこのようにフルスクリーンで映像を表示しており、この画面がそのままQuest 3 にWifi経由で送られます。

スクリーンを配置して遠くから見たりしている様子

実際にQuest 3 でスクリーンを配置して投影している様子です。京都オフィス内でテストしました。遠くから眺めてみたり、近づいてドットの粗さを体感したり、ができました。

オクルージョンしている様子

Quest 3 のCGオクルージョン(現実との遮蔽効果)はそれなりに粗いものの、CGが壁に隠れたり、手で隠れたりするのを確認することができるので、実際にどのようにスクリーンが見え隠れするのかを検証することができます。

スクリーンの位置を手で移動させる

仮想スクリーンの位置調整は、仮想スクリーンをコントローラや手でつかんで移動できるようにしています。直感的な操作にすることが出来ましたが、微調整がむずかしい、だったり、高いところに配置したいときはどうするのか、といった課題も見えました。

制作でのポイント

以下制作にあたって気を付けていたポイントです。

  1. PCとQuest 3 +(スマホ)でどこでも検証できる手軽さ
    • Wifiはスマホのテザリングでも可能ですので、持ち運びも可能、屋外に持ち出すのも想定可能になりました。
  2. スクリーンを手で直接動かせる直感的な操作
    • 手で動かす形にしたのは、操作説明なしでもすぐにつかえることを期待していました。(しかしながら実際ためしてもらうと、どこをつかめばいいのか、などの説明が必要になりました)
  3. スクリーンにオクルージョンをいれて現実空間に干渉させてみる
    • 現実空間とCGが遮蔽により干渉することで、仮想スクリーンがより一層現実空間になじむ面白さはあるものの、やはりセンサーの精度がそこまで高くないため、離れるとちらつきが見えたり、キワがどうしても甘かったり、という課題もありました。
  4. かぶらなくても見れる
    • ヘッドセットを被るのは敬遠されがちなことがあるため、デバイスを覗くだけで見れる形を採用しました。こちらのほうが持ちまわしもよく、体験してもらうためのハードルがぐっと下がりました。
後頭部のバンドを外してかぶらなくても覗くだけで確認できるようにした状態

実際に体験してもらってのヒアリングとまとめ

今回はデザイナーの新福さんにも実際に触っていただき、デザイナー視点からの課題を得ることができました。以下のような意見をいただきながらも、やはり画質センサー精度、あたりが今後改善されていければもっと面白くなりそうだな、という所感です。今後機会があれば屋外などでもテストしていきたいです。

  • デザイン確認ツールとしては、ピクセル等倍で見たい
    • 実際 Quest 3 をつかって至近距離で映像を見た時、映像圧縮のノイズが見えてるのか、映像転送の過程で発生した粗さなのか、判断がつかなかったりしました。
  • もっと高いところに映像を配置したい
    • 今回は直接手でスクリーンを動かす仕組みにしたため、物理的に手が届く範囲でしか配置できない、という課題を得ました。
  • スクリーンをつかんで動かすのいいが、微調整ができない。もっと壁に平行に、ビタビタに置きたい
  • 大きさ確認するのにはいいかも
  • 遠くからみたりできるのが新しいかも



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