こんにちは!アートディレクターの鎌田です。
18th SNDC(シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション)に応募したエクスペリエンスなプロダクトの企画を紹介させてください。
SNDCとは?
「SNDC(シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション)」は、“しるし”をテーマに新しい価値を探るデザインアワードです。今年で18回目を迎え、テーマは 「つながるしるし」。単なる“しるす”というアクション以上の意味が込められていて、デザインを通じて「つながること」や「関係性」を新たに感じさせるようなプロダクトや仕組みが求められました。
このアワードに挑戦しようと思ったのは、
- 日常的に当たり前に存在している「ハンコ」や「しるし」というものを、もう一度デザインの力で拡張できるのでは?と感じたこと
- SNDCは“しるし”を自由に解釈できる場なので、普段の仕事では形にしづらい実験的な発想を試せると思った
それらが主な理由です。
着想のきっかけ
私が応募した企画は、時間と天気がつながる、公共空間のしるし
「Forecast Clock」というものです。
思いついたきっかけは「子どもと公園で過ごす時間」でした。
天気が変わりやすい季節に、親としては「あとどのくらい遊べるのか」が気になります。子どもは夢中で遊んでいるけれど、親としては『この後天気が崩れないかな』と心配になる瞬間がありました。
スマホで天気予報を確認することもできますが、遊んでいる子どもにとってはそれが直感的にわかりません。だからこそ、親と子が同じ“しるし”を共有できるような仕組みがあったらいいのに、と感じました。
そこで思ったのが、“空の様子を時計のようにひと目で共有できたら便利じゃないか” ということ。
「ただの時計」ではなく、「未来を予感させるしるし」としての時計。
これがForecast Clockの出発点です。

Forecast Clockは、時間を“しるす”ものから、未来の空模様を“つなげる”ものへ拡張する試みです。それは親と子の安心をつなぐしるしであり、地域の人々が共有できるコミュニティのしるしでもあります。
コンセプト
公園や広場に立つ、いつもの時計。盤面に映るのは、時刻だけでなく
「これからの空模様」です。
Forecast Clock は、今から12時間の天気予報を色で示す屋外時計。
中央の円は、時針の示す現在を起点に、時計回りのグラデーションで
未来の空模様を描き、見る人の行動をそっと導くしるしになります。
時間と空、感情と行動が静かにつながっていく──
Forecast Clock は、そんな気配を可視化する公共空間の新しいしるしです。
ポイント
反射型ディスプレイを内蔵し、天気予報をネットで自動取得。時針が指す現在を起点に、12時間分の予報を扇状に表示。アナログ時計の「1周=12時間」という構造を活かし、時間と視線の流れを自然につなげます。

[ 想定される設置場所 ]
公園の入り口、遊歩道の分岐、校門前、駅前広場、公共施設前
[ 使用例 ]
散歩中に見上げて「これから雨かも」と気づく・友人と待ち合わせ時に「そろそろ晴れてくるね」と共有する・登下校時に子どもや保護者が安全判断の目安にする

実際の応募シート
https://labs.1-10.com/wp-content/uploads/2025/09/Forecast-clock_0530_ver2.pdf
いかがでしたでしょうか? 色んなご意見、ご感想お待ちしております!
このアイデアは、僕自身、子供と公園に行く機会があって思いついたアイデアです。スマホで天気がわかる時代だけど、子供といると、子供から目が離せないし、手も汚れててスマホを触りたくない、何より、子供達自身にも直感的に天気予報を伝えることができるので、安心して遊ばせることができるんじゃないかと思い、考えました。そのほかにも、災害時の避難所で役立ったり、マラソン大会や屋外イベントで活用できるのではないでしょうか。
こんなのあったらいいのになぁ。。
みなさんなら“つながるしるし”をどうデザインしますか?