こんにちは、デザイン部アートディレクター / デザイナーの井上です。今回が初めてのブログ記事になります。
今回は僕がADとして携わった、GOODGOOD株式会社のロゴリニューアルの案件のプロセスをご紹介できればと思います。
大ファンのGOODGOODGOOD!その魅力を伝える一助となるロゴリニューアルを、プロセスにも注目してご紹介いたします。
はじめに:めずらしいロゴデザインの案件!
1→10は主にデジタル表現を主軸とした、体験設計やコンテンツ制作を得意としている中で、今回はロゴデザインの制作依頼を熊本県阿蘇の自社牧場と、北海道厚真町、兵庫県西宮市の拠点を中心に、牧草栽培から牧草和牛の繁殖、食肉加工、精肉店、レストランまでワンストップで行う畜産ベンチャー「GOODGOOD株式会社」さんからご依頼を頂きました。
・パーパス(目的) / プロセス(過程)のデザイン。
至極当たり前なことを!と思われるかもしれないのですが、クライアントさん(以下CL)と「なぜロゴのリデザインをするのか?」「ロゴをリデザインして達成したい目的はなんなのか?」「達成した後に何があるのか?」「畜産ってなに?」などをミーティングを重ね丁寧にCLが達成するべき目的の整理や、CLの持つ背景を明確にするなどリデザインをする前のリサーチとスタディを丁寧に行いました。
①パーパス(目的):散らばっていたものを集める
ここで言う目的はいわゆる「KPI」のような達成目標ではなく、その先にあるCLが達成したいより大きな成果・思想・意義のようなものです。
「なぜやるのか?」を突き詰め「本質的な目的」を明確にし、達成目標やトレンドに左右されない真の価値をデザインするため様々なアプローチを行います。
それを正しくデザインで可視化することで力強さと、普遍的な価値を提供できるのだと思います。
GOODGOODの案件においては、デザイナーが具体的に手を動かす前に。
既存のステートメントや、事業計画、WEBサイト、MTGでの会話などから、たくさんのインプット・リサーチを行い、抽象的なキーワードではなく、目的を1つの文章にまとめることで、「そうそう!まさにこれがいいたかった!」という目的の可視化を行いました。
(↑さまざまな媒体に散らばった、要素をまとめ現在のCL立ち位置を明確にすることができました。)
目的の可視化を行った上で、さらに重要になるのが、「プロセス(過程)」です。
②プロセス(過程):山を登るパートナー
目的が決まれば次はプロセス(過程)をデザインします。
それはCLに「デザイン以上の価値を提供できるパートナーでありたい」という思いからです。
ロゴのリデザインを最短で行おうと思った場合、コンペ形式で多数のデザインを募り、好きなものを選べばいいのですが、「事業に対する思い」や「ヴィジョン」「ストーリー」など自分たちが大切にしたい思い。というものが込めづらいという側面があります。
ですが、私たちは、エンドユーザーの目にふれる機会は少ないプロセス(過程)を丁寧にデザインすることで、CLが「自分たちが作ったんだ!」「このデザインと一緒に次のステップに行くぞ!」と自信と納得感をもってゴールするためのプロジェクト・デザインを行いました。
例えるなら、同じ山登りでも、ヘリコプターで行くのと、自分たちの足で苦労して登るのでは、山頂から見える景色の価値に大きな差がでますよね?その道程をしっかりとガイドすることにもトライしました。
当初の依頼は、「新施設のロゴ」だったのですが、そこに一気通貫したブランドイメージも作って行こう!とチャレンジ領域もご提案させていただき、それに伴いブランドの課題の洗い出しや、ステートメントの作成。コピーライティングなどたくさんのおせっかいをさせていただきました。
そのなかで社会情勢や、流行、見た目だけにとらわれずに、自分たちがやりたいことをやってみよう!というCLの素晴らしい姿勢をプロジェクトの中でもやっていきたい!と考えて、「食べるを考え、自然と創造する。」という合言葉ともなるプロジェクトテーマも作って、CLとプロジェクトを楽しむ為のデザインワークも行いました!
③共通認識:ものさしを作る。
上記のようなデザインプロセスを経て、ロゴをリデザインすることで、社会にどんな影響を与えたいのか?達成したいヴィジョンは?など、しっかりと認識合わせ、アウトプットに対する『共通のものさし』にします。
結果『目的を達成する為のCIデザインってなんだろう?』という共通の認識が、円滑にデザインをつくる・見る・決めるすべての基準にすることができました。
④クリエティブジャンプ
最後はクリエイティブとしての発想・ジャンプです。
リサーチや、会話の中で「なぜBestや、Betterではなく『GOOD』なのか?」という疑問が僕の中で生まれました。それを起点にイメージを広げていきました。
そのなかから、彼らの行動指針や、スタンスを明確に表せるようなキーワードを抽出しました。
・Charming :課題解決をたのしむ自然体な魅力
・Simplisity:素直な目線で社会問題を捉える姿勢
・Reality:有言実行で社会実装を行う誠実さ
・Step:確実に社会を良い方向に1歩1歩すすめるグッドなヤツら
それらを約束し実行するCLの挑戦には『妥協(better)もなければ、完了(best)することもなく、改善と提案、錯誤(GOOD&GOOD&GOOD)が続く』のだ!というキーワードが繋がりました。
⑤デザインここからビジュアルライズ
社名がリブランディングに伴い「GOODGOOD株式会社」から「GOODGOODGOOD株式会社」にパワーアップ!タイポグラフィを中心としたデザインから、使用シーンに合わせたパターンに展開できるデザインなど様々パターンを検証しました。
もちろんそれぞれが単純なパターン出しにならないよう、アイデアから精査しアウトプットを行いました。
・目的を達成する力強いデザインに着地。
最終の方向性としては、タイポグラフィをメインとしたものに絞り精査を重ねました。
文字のスタイルや、文字のウェイト・形状を細かく検証していく途中、CLとのスタディーで得られた「目的を達成する為のCIデザインってなんだろう?」という共通のものさしをもとにCLとリテイクや修正を重ね以下の最終デザインに決定をしました。
もちろん自分の大好きなタイプフェイスのデザインもさせていただきました!
・大阪駅に店舗がオープン!
店舗で目を引く、アイヌ民族伝統のテキスタイルにもロゴを載せていただきました。
皆さん是非大阪駅にお立ち寄りの際は、足を運んでみてください!ファンになること必至です!
https://goodgoodmeat.com/pages/lucua-osaka