エンジニアの稲田(@inada_yuta)です。
2022年6月10~12日の3日間渋谷にあるTRUNK HOTELにおきまして、ワントゥーテン主催の展示会『WORRA EXHIBITION Vol.01 “WANNA WORRA?”』を開催しました。5つの作品が展示されていたのですが、その内の1つである「Volumetric Projection」について今回は紹介させていただきます。

WORRAとは?

1→10の考える人・作る人が集まり、
多様な表現領域における、手法とテクノロジーを用いた試行錯誤から、
新しい価値や可能性を追求していく実験者集団です。

はじめに

日頃私がワントゥーテンとして関わるプロジェクトでは、地面や壁に映像を投影することで既存の空間を拡張する形式のものが数多く、商業施設や水族館の床のような場所から、さらさらした砂浜やゴツゴツした砂利などこれまで様々な投影対象に映像を映し出してきました。

異なるマテリアルに映る映像はその都度違う見え方をするものの、3次元の現実空間に結局平面の像が貼り付けられるだけの表現には物足りなさも感じることがあり、そんな思いから今回のような空間投影装置の試作が始まりました。


Volumetric Projection

本作品は平面の映像に質量を与えることで、立体的な映像表現に挑戦した映像投影装置です。

装置本体はアルミフレームで組まれた高さ2m, 横幅奥行共に1mの直方体の形状をした骨組みに農業用ポリエチレンシート(農ポリ)を面として貼りけたシンプルな構成になっています。

社内でテストした時の様子

先の装置の中にフォグを溜めこみ、プロジェクターで映像を投影することでボックス内に立体的な映像が浮かび上がる仕組みとなっています。
今回はプロトタイプということもあり、できるだけコストを抑えるためボックスに貼り付けるスクリーンにはこちらの農ポリを採用しました。

また、フレームにスクリーンを貼り付ける際にはマジックテープを双方に装着することで、スクリーン自体の再利用性や組み立て及び解体の簡易性を高めることができました。

ここからは実際に映像を投影したいくつかの例を紹介していこうと思います。

1. ただの線を映してみる

左の動画がスマホで撮影した映像投影時の様子、右の画像が実際に投影している映像になります。

このケースでは、投影前はただの平凡な横線の映像に現実の奥行情報を与えることで、まるで目の前に光の板が存在しているかのような視覚効果が生まれていることがわかります。

2. 天井から床に向けて投影してみる

こちらも先ほど同様スマホで撮影した実際の様子と、投影している元の映像を並べているのですが、今回は天井から床に向けて映像を投影しています。

「1.」では光源に対して対面する位置に視点を置いた見え方でしたが、このケースでは投影方向に対して真横に視点を置いた見え方となり、水面から水中に差し込む光芒(光のカーテン)のような視覚効果が表現できます。

3. 細かな点々の動き

こちらは残念ながら正面からの固定視点のみで撮影した様子ではありますが、点のような細かい動きの映像を投影しています

点1つ1つに奥行が生まれることで、画面奥から手前に向かうたくさんの線が空間に描画され、個々の点が線で結ばれているような視覚効果が確認できました。


まとめ

本記事ではフォグマシンと透過スクリーンを組み合わせた映像投影装置の試作品について紹介させていただきました。

シンプルな構造でありながらも、現実世界に浮かび上がる立体的な映像表現は展示を見に来てくださった方々からも好評で「おもしろい」「きれい」「幻想的」などといったお声を頂くことができました。

しかし、数時間展示しているだけでフォグの成分によってボックス内の視認性に影響がでる程に透過スクリーンが段々と汚れてしまうことや、フォグの取り扱い方については慎重に注意する必要あることなど、今後展開していくためには諸々解決すべき課題もあることがわかりました。

最後に、実際に展示会でお披露目した際の記録映像がございますので、よければご覧になってください!
最後までお読み頂きありがとうございました。