
はじめに
CT部の河合です。普段主にUnityでのコンテンツ開発をしております。
2025大阪関西万博「WASSE」で行われました日本弁理士会主催のイベント、”万博で未来を体験しよう” にて、10/2から10/4の3日間、弊社ワントゥーテンでは iPadでのVPS絵本コンテンツと、 Meta Quest3(以下Quest3)をつかったコンテンツの展示をさせていただきました。
本記事ではQuest3 のコンテンツについてのレポートをまとめております。iPad版は非常に高精度なVPS技術をつかったものとなっており、今回もたくさんの方に遊んでいただくことができました。
イベントについて
万博会場の「WASSE」南館で行われました。体験コンテンツとよばれるブースのうちの一つを、10/2から10/4の3日間、弊社で担当させていただく形となりました。
Quest3 展示コンテンツ概要
こちらは開発中の様子をキャプチャしたものです。手と声でいちごの妖精とインタラクションして遊ぶ体験となっています。実際の展示ではキャラがかわいいー、という声をたくさんいただき好評でした。
技術的ハイライトとしては、以下のあたりになります。
- Wit ai による音声常時認識での音声テキスト化 (STT) +定型キーワードによる妖精のアクション
- 定型キーワードが取得できない場合は OpenAI に解釈させてキーワード判定の実行
- ハンドトラッキングでのインタラクション



ゴーグルを友達同士で持ちまわせる取り回しやすさ

Quest3 を手持ちにしたことで、体験者の視界を完全に遮ることなく、体験者が孤立することなく周囲の環境や人々との繋がりを保ちながら情報を「のぞき見する」ような形で知覚できる機会を生み出しています。
体験者が自然にQuest3 を持ちまわして、友達や家族と自分の体験しているものを共有しようとする光景が見られました。
ミラーリング画面を用意して体験者以外も退屈しないように

ミラーリングについては、FMETPという映像転送ができるUnityアセットを使用し、Quest3 でアプリを起動するだけでPCへミラーリングできるようにしました。
友達が遊んでいる様子を見たり、親御さんが子供の遊んでる様子を見て、楽しそうにしている姿が見られましたので、ミラーリングは用意してよかった機能でした。
※ Quest3 には画面をミラーリングできる公式の仕組みがありますが、Metaアカウントに紐づけが必要だったり、スリープ時にミラーリングが途切れたり、2台のQuest 3をマルチ2画面でのストリーミングするが今回必要、などの点でアセットの検討となりました。
展示イベントの騒音レベルでの音声認識
結果としてはノイズがあまり問題になることなく無事本番運用できた( Quest3 のマイクで音声認識できた)のですが、実際の「WASSE」会場でのノイズレベルは予想以上に大きかったです。
特に弊社ブースのすぐ隣の壁面LEDからは、常時大ボリュームでナレーションが流れるという、音声認識コンテンツには厳しい環境でした。
課題
- 音声認識APIリクエスト回数の制限
- MetaのWit aiのAPIにはリクエスト数に制限があるが、今回の展示では十分に範囲内に収まっていた。(1日で最大3000強のリクエスト数でした。ちなみにリクエスト制限は1アプリ1分あたり最大何回まで、となっていたはず)
- 声が小さい子供のケアが必要
- 外部マイクをつかったりも可能か検討。
- 子供が頑張って呼びかけてるのに、マイクが反応しないのは悲しかった。
- ミラーリングの画質の課題
- ミラーリングはWifiをつかっており、スマホをもった人がたくさん集まると顕著にミラーリング映像の画質が荒れしまうという知見を得ました。
まとめ
- 音声認識やハンドトラッキングは目新しい技術ではないが、組み合わせることで新鮮な遊びにできそうな可能性もありそうな気がした。
- 万博ではスケールの大きな展示が多い中で、このようなどちらかというとミクロな体験はどう受け止められるか、という部分があったが、体験いただいた様子は割と好印象な方が多かった。
- 今回iPadでも体験可能になっていたが、Quest3 に並んでいる人がけっこういた。万博会場という場所性もあってか、みなさん普段触らないもの(Quest3)を求めているように思った。