はじめに

CGデザイナーの川村(@tsumiki_room)です
2024年の5月にデジタルハリウッド大学の林祐哉さん(@
uya_881118
)が東京オフィスで実施したインターンシップについてのレポートを紹介します。

ワントゥーテンでは特定のインターン向けカリキュラムがありません。
参加される学生との話し合いの中で興味・関心のある事柄に合わせて課題を設定します。

林さんはライトを制御して演出するインスタレーションに興味があり、ちょうどインターン期間中に「旧芝離宮夜会」があったのでライト制御の開発していた私がメンターとして受け入れることになりました。

インターンシップ期間が1か月と短期だったこともあり、主に旧芝離宮夜会の作業風景や現場設営の見学をしてもらいつつ、林さんのゼミで催される展示会のコンテンツ制作を課題作品としてレポートして頂くことになりました。

ここからは林さんご本人によるインターンのレポートを掲載いたします。


挨拶

初めまして、デジタルハリウッド大学4年生の林祐哉です。
今は映像表現実践ゼミでインタラクション系の展示などを勉強しています。
本記事は5月9日から6月7日までの期間に開催していただいた、インターンシップの制作物をご紹介します。

最終成果物

作品コンセプト

弊ゼミの紹介イベントで利用するゼミ生の案内サイネージを制作しました。
イベントテーマが「ダイナー」なのでジュークボックスをイメージして作成しました。
システムにTouchDesignerを使い、レンダリングにUnreal Engine5を使用しました。
こだわりポイントは市販のjoysticで操作を可能にし、コインセレクターで起動の演出をつけたところになります。

概要

  • 来場者のメイン層は新規ゼミ生候補のため、現役生に対してどんな話を聞きたいかを選べるようにする
  • 選ばれた現役生と自分がやりたいことがゼミでできるのかなどの会話をする
  • 物理ボタンはUSBで繋ぎ、コインセレクターはArudinoでTDに繋げた
  • 演出をTDからOSCでUE5に繋ぎ、NDIでTDに返して出力
  • 呼ばれたゼミ生に対してLINEの通知を送る

制作過程と学習内容

企画立案

カラクリ感を軸に考え、UE5のレンダリングを採用しました。
一緒に制作したゼミのモデラーには歯車や人形などを作ってもらい実際に動いているようにシステムを組みました。

体験設計

物理ボタンを押し、自分で選べるようにしました。
特にコインセレクターを導入し、実際のコインを入れると電源がつくといったインタラクティブ要素をこだわりました。

システム

ゼミ生ごとに複数のタグを与え、来場者が「イラスト」や「システム」など職やスキルで選べるようになっています。

ゼミ生に関連する属性でタグを作りテーブルで振り分ける

画像左のボタンの「ruo」「shiori」「daito」の3人がオフになってる(=選ばれてる)ため、左から3つ目のOPのmath chopのチャンネルが消え、選べなくなるなります。
選ばれた人が下級生との会話が終わるのを確認次第オンにすると、再度選ばれます。
選ばれる優先順位をつけ、自分の得意な分野で話せるようにしました。

左上のボタンで3名がグレーアウトして選択できなくなっており「接客中」だということがわかる

人形やレコードのアニメーションはanimation compで作成しました。
animation compの使い方は川村さんのブログを参考にさせていただきました。

animationCOMPによるアニメーションカーブの実装

最後に

反省点

初めての2ソフト、2PC間の連携でした。ネットワークの知識に疎く、OSCやNDI通信がうまくいかない原因探しに非常にOSCやNDI通信がうまくいかない原因探しに非常に時間が取られてしまいました。

最終的にはうまくいきませんでしたが、初めてのArudinoを用いたコインセレクターは体験価値を大幅に向上させてくれました。

ipadなどのデバイスの方が通信がシンプルですが、体験という視点からみると「コインを入れる」という動きとしては少ないですが、多くの感動を呼べることを学び、作り手と受け手の視点の違いを強く気付かされました。

今まではシステム構築が最優先という考えでしたが、「展示」「体験」という視点を得たことは非常に有意義な時間でした。

知識が疎い中、TDおよびUE5を教えていただいたCT部の皆様、通常のインターンでは経験できないであろう現場に連れて行ってくださった川村さんには非常に感謝しております。

1ヶ月という短い期間ではありましたが、改めてありがとうございました。



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